国際水資源協会(IWRA)においてMembership Committeeのchairを務めている。2005年11月19日〜26日にかけて、インド ニューデリーで開催された「IWRA第12回World Water Congress(世界水会議)」に参加し、IWRAの理事会に出席するとともに、”Estimation of global distribution of required water for irrigation using SiBUC”と題するYorozu et al.の共著者となった。
2005年10月25日〜26日にかけて東京で開催された「土砂管理とダムに関する国際シンポジウム」実行委員会副委員長として会議の運営に携わった。
小尻は国際水理学会(IAHR)の水資源部会長を務めており、9月の第31回総会(韓国、ソウル)では、"Innovative perspectives of integrated water resources management under a changing world"と題した特別セミナーを開催し、IAHS, IWRA, IAHR, IWA, KWRAなど異なる視点からの流域総合管理についてのパネルディスカッションを予定している。また、Journal of Hydrological Engineering, ASCEの編集委員やWater International, Hydrological Processesの査読委員に加わり、水資源関連の研究・評価活動に従事してきた。
2005年7月25〜28日東京において開催された19th Pacific Regional Science Conferenceに出席し、下記題目で口頭発表を行った。
Sakamoto, M. and Hagihara, Y., 'Process of Setting Players for Conflict Analysis in a Water Resources Development'.
Fukushima, Y., Hagihara, Y., Hagihara, K., Sakamoto, M. and Yamamura, S., 'Social Environment Analysis regarding Arsenic Contaminated Drinking Water in Bangladesh'.
2005年10月10-12日にハワイで開催された IEEE International Conference on Systems, Man and Cyberneticsに参加し、下記題目で口頭発表を行った。
Sakamoto, M., Hagihara, Y., and Hipel, K.W.; Coordination Process by a Third Party in the Conflict Between Bangladesh and India over Regulation of the Ganges River.
2005年6月20日〜25日にかけてシンガポールで開催されたAsia Oceania Geosciences Societyの第2回大会に参加し,YASUHIRO TAKEMON, KANA YAMAMOTO and SHUICHI IKEBUCH: "Variation in Drift distance of SUSPENDED POM in relation to flow regimes and channel geomorphology. "ならびに,YUKO ISHIDA, YASUHIRO TAKEMON TAKESHI TANAKA, HIROYUKI YAMADA and SHUICHI IKEBUCHI: "Difference in habitat preference of Rhinogobius flumineus among Erosional and Depositional reaches."と題する研究発表をした.
2005年11月21日にバリ(インドネシア)で開催されたInternational Symposium on Ecohydrology, Bali, November 2005に出席し,Yasuhiro TAKEMON 'Classification of benthos life types reflecting erosive/depositional regimes of freshwater microhabitat'と題する研究発表をした.
2005年6月29日〜7月11日にモンゴルのトゥール川に出張し,モンゴル科学アカデミーとの協力のもとに、水質と各種安定同位体比の総合調査を実施した。トゥールー川上流域からオルホン川と合流するまでの約800kmの区間において、水質や生態系の流下変化の調査を行い、物質循環や生態系の広域的な状況を把握することを試みた。これにより、ウランバートル通過に伴い、硝酸態窒素や各種有機物の窒素安定同位体比が一斉に上昇すること、また、各態窒素の存在比が大きく変化することなどが確認された。
乾燥地域の農業生産システムに及ぼす地球温暖化の影響(ICCAP)
2005年9月6日〜15日にかけて、プロジェクト対象流域であるセイハン流域に赴き、
土地利用ならびに植生分布調査を実施するとともに、DSI(トルコ国家水利総局)
およびハジェテペ大学を訪問し、プロジェクトに関する研究討議を行った。
気候グループより提供された領域気候モデルの出力(2次ラン)を定量的に利用する
ためのバイアス補正をするとともに、その補正データを用いて現状気候と将来気候
(擬似温暖化実験)をforcingとして陸面過程モデルSiBUCを駆動し、現状と将来に
ついて流域水・熱収支各項、土壌水分、積雪等の状態量の推定を行い気候変動の
影響評価をした。
ICCAPのホームページ(
http://www.chikyu.ac.jp/rihn/pro/2004_1-1.html)
平成17年度研究報告書(8ページpdf file)
ハジェテペ大学での打合せ | セイハン上流域の小麦地帯 | 第一次大戦中に建設された鉄道橋 |
灌漑水路 | シトラス畑 | トウモロコシ畑(収穫後) |
地球観測による効果的な水管理の先導的実現(沖GEOSS)
平成17年2月に第3回地球観測サミットで「全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画」が承認された。GEOSSの構築は、地球温暖化対策、水循環の把握などを通じ、我が国及びアジア諸国に多大な利益をもたらすことが期待される。本プロジェクトはGEOSSの元進められている地球観測システム構築推進プラン(JEPP: Japan EOS Promotion Program)のテーマ2−2「アジアモンスーン域での水循環・気候変動に関する観測研究又は技術開発」の中で走っている4つのプロジェクトの一つであり、地上観測を強化しテレメトリーで実時間データ転送をし、さらにできるだけ衛星観測も活用し、これら観測情報を通じて、さらに観測情報から流出計算をして、洪水や渇水等のWarningを出すシステムのプロトタイプをタイのある小流域で構築することを目指している。この中で田中は「陸面水文植生モデル(SiBUC)による水循環推定に関する研究」という課題を分担している。
2006年3月20日〜26日にかけて、タイ北部のメーワン流域および周辺域において、洪水予警報システムのための観測サイト予定地の現地調査を進めると同時に、土地利用ならびに植生分布調査、農業と水資源利用調査を合わせて行った。
平成17年度研究報告書(2ページpdf file)
水文観測点(P82) | オムコイレーダー | 大豆畑(灌漑あり) |
パイナップル売り | カパラオサイカイダオ | フラックス観測(EGATタワー) |
農地面積は少し減るものの ため池の水で2期作が可能 |
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フラックス観測(スコタイ水田) | 道路建設用土砂の採集地 | スコタイ遺跡 |
第2期全球土壌水分プロジェクト(GSWP-2)
GSWP-2 (2nd Global Soil Wetness Project)はGEWEX (Global Energy and Water Cycle Experiment)、GLASS (Global Land Atmosphere System Study)のもと実施されているモデル間相互比較プロジェクト(Model Inter-comparison Project)の1つであり、米国COLA (Center for Ocean-Land-Atmosphere Studies)のPaul Dirmeyer博士、東京大学生産技術研究所の沖大幹助教授をco-chairとして進められている。世界中からおよそ20もの陸面過程モデルが参加し、1986年から1995年の10年分について、水収支各項、エネルギー収支各項、各種状態量等のデータセットが全球1度グリッド日単位で作成される。GSWP-2のデータセットを用いて、陸面過程モデルSiBUCを初めて全球規模で適用した。田中はSiBUCで相互比較実験に参加するのみでなく、気象強制力やパラメータデータの精度検証やデータ改良等に積極的に貢献している。GSWP-2のベースライン実験や感度実験(共通の計算)を実施するとともに、SiBUC 独自の試みとして、NDVIの時系列解析から全球作物分類図並びに全球農事暦データセットを作成し,全球規模で灌漑を考慮に入れたモデル計算を実施し、灌漑の影響を評価した。これらのデータセットは、気候値ではなく、年々変動を反映した陸面境界条件を提供することになるので、気候変動および年々変動、異常気象のメカニズムおよびそれらに陸面が果たす役割を解明するための基礎的なデータとなる。GSWP-2のホームページ(http://grads.iges.org/gswp/)
国際会議、ワークショップの参加
2005年4月2日〜11日にかけて、ブラジル イグアスで開催されたIAHS(国際水文科学会)の研究講演会に出席し、非観測流域における水文予測(PUB)に関する研究討議を行なった。
イグアスの滝 | イグアスの滝 | イタイプダム(発電量1280万kW) |
2005年6月20日〜25日にかけて、シンガポールで開催された「第2回AOGS(アジアオセアニア地球物理学連合)国際会議」に参加し、”Energy and water balance of Mizoro-ga-ike Pond”と題する研究発表をし、”The effect of land surface condition on convective precipitation over the mountainous region in Japan during the summer season”と題するSouma et al.の共著者となった。
2005年11月19日〜26日にかけて、インド ニューデリーで開催された「IWRA第12回World Water Congress(世界水会議)」に参加し、IWRAの理事会に出席するとともに、”Estimation of global distribution of required water for irrigation using SiBUC”と題するYorozu et al.の共著者となった。